2023.04.07
毛髪再生医療は諦めかけた薄毛治療の救世主となれる施術か?
「育毛剤から発毛剤、AGA治療薬などあらゆるAGA対策や治療をやってきたけど、思ってたような効果が出なかった。」
「もうこれ以上治療を続けても効果がないかも…。」
このように薄毛治療を諦める前にもう一度検討してほしい施術が毛髪再生医療です。
毛髪再生治療は従来のAGA治療薬の服用や患部への塗布によるものではなく、働きが停滞してしまった毛髪組織の働きをもう一度再生させて発毛を促します。
患者様自身の修復能力を活かす画期的な治療方法として現在大変注目を集めている治療方法です。
今回は毛髪再生治療とはどのような治療方法なのか、基本的な知識や効果、安全性など治療によるメリット・デメリットについて解説していきます。
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毛髪再生医療とは
再生治療とは人間が持つ細胞を抽出・培養によって増加させて、ダメージを受けた臓器や関節、皮下組織などに移植して各機能の働きを再生させる医療のことを言います。
再生医療は平成18年にノーベル化学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授率いるグループによってIPS細胞が作成され、平成26年に世界で始めてips細胞を用いた移植手術が行われました。
再生医療の誕生によりこれまで有効な治療方法がなかった疾患の治療が可能になるなど、現在も研究が進められて対応できる疾患も増加してきています。
この再生医療の技術を毛髪の再生にも活用するようになったのが毛髪再生医療です。
AGA治療薬とどこが違う?毛髪再生医療の主な特徴について
AGAは男性ホルモンの一つであるテストステロンが5αリダクターゼと呼ばれる人間の体内にある酵素と結合し、毛髪にとって悪玉のDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されることで発症する病気です。
このDHTが正常なヘアサイクルの働きを乱して発毛しようとする働きを阻害し、その結果抜け毛が増えてしまいます。
プロペシアやミノキシジル錠を活用した従来のAGA治療薬も、ヘアサイクルの働きを正常に戻して発毛を促す効果がありますが、AGAは進行性の薄毛であるため完治することは基本的にありません。
そのため、薬の服用を辞めてしまうとまた薄毛の進行が進んでしまうことから薬の服用を継続する必要性や、そもそも治療薬が体質や既往症によって服用できない可能性もあります。
毛髪再生医療の最大の特徴は薬の力ではなく患者様自身の細胞の働きを活用すること
毛髪再生医療の場合は育毛剤や発毛剤、AGA治療薬を使った従来の薄毛予防や治療方法とは違い、患者様自身が持つ幹細胞等の働きを活性化させて発毛を促進する治療方法です。
薬物を使用した治療方法はAGA治療に限らず、何かしらの副作用の懸念があります。
しかし、毛髪再生医療は患者様自身の細胞を利用するため、副作用の心配がほとんどありません。
1回あたりの施術による持続時間も長く、自然な発毛が可能であることから近年発毛効果が高い治療法として注目されています。
本来持っている発毛促進の働きをもう一度活性化させることで、アボトーシス(細胞死)の数を減少させたり、毛周期の成長期を延長させる働きを与えてくれるのです。
AGA治療薬や頭皮に有効成分を直接注入するメソセラピーで思うような効果が得られなかった方、そもそも治療薬の服用ができなかった方にも可能性のある治療方法です。
毛髪再生医療の治療の流れ
では実際に毛髪再生医療を受けようとすると、どのような流れで施術が行われるのでしょうか。
ここでは毛髪再生治療の一つであるPRP療法を例に治療の流れについてかんたんにお伝えします。
1.無料カウンセリング+医師による診察
カウンセラーによる無料カウンセリングのあと、治療に進む場合は医師の診察を受けて頭皮の状態をチェックします。
治療の説明を聞いて承諾したら治療開始です。
2.患者様から細胞を抽出+PRP作成
採血を行い、特殊な医療器具を使ってPRPを作成します。
完成までにおよそ30分ほどかかります。
3.PRPを患部に注入
作成したPRPを患部に注入します。
無痛の注入器等を使って頭部への負担や痛みを抑えながら治療を行えます。
4.治療後の説明
施術が終われば術後の説明や注意事項を聞いて終了です。
カウンセリングから術後の説明までの所要時間はおよそ1〜1.5時間です。
治療薬の処方だけの場合と比較すると少し長時間のように感じますが、日帰り手術で術後の制限もほとんどないことから頭部や体の負担はほとんどないと言われています。
施術1回あたりの持続期間も2〜3ヶ月と高い持続性も誇ることや、AGA治療薬との併用によってさらに効率的な発毛促進ができるようになります。
毛髪再生医療によるメリットとデメリット
毛髪再生医療による具体的なメリットやデメリットをまとめてみました。
メリット
- アレルギー反応や副作用の心配がほとんどない
- 日帰り手術で治療時間も短い
- 痛みを感じにくく麻酔なしでも治療可能
- ダウンタイムがほとんどない
- 発毛効果の持続期間が長い
- 男性・女性ともに施術が可能
- 治療薬との併用も効果的
デメリット
- 心臓病や脳梗塞、肝臓疾患などの既往症がある人は治療できない
- 毛根が消失している人には効果が期待できない
- AGA治療薬と比較して1回あたりの治療費が高額
- 毛髪再生治療が行えるクリニックが少ない
毛髪再生医療にも複数の治療方法が存在する
毛髪再生医療にもいくつかの種類があり、現在日本国内で承認を得ています。
ここでは代表的な3つの治療方法を挙げています。
HARG(HARGカクテル療法) 毛髪再生治療
HARG(ハーグ)療法とは毛髪再生治療の一つで、HARGカクテルと呼ばれる薬剤を頭皮に直接注入して発毛を促進する治療方法のことです。
従来の薬物療法と違って一定期間治療を受けることで自然に髪が生えるようになると言われていて、使用するHARGカクテルには、幹細胞から抽出した数百種類以上の成長因子が含まれています。
HARG療法含む毛髪再生治療は性別による制限がなく、男女どちらの薄毛にも対応していて発毛効果が期待できることで人気の治療方法です。
PRP(多血少板血漿) 毛髪再生治療
PRP(多血少板血漿:たけっしょうばんけっしょう)は、患者様自身のPRP(多血少板血漿)の働きを利用して頭皮の組織を再生して発毛を促進する治療方法です。
傷口を防ぐかさぶたの働きを毛髪の再生に活かしたものを想像されると良いでしょう。
PRPの最大の特徴は治療薬と違って患者様自身の血小板を活用するため、副作用の心配が大幅に軽減できる点が挙げられます。
幹細胞培養上清液療法
幹細胞培養上清液療法(かんさいぼうばいようじょうせいえきりょうほう)は、体内に存在する幹細胞を扶養した培養液に滅菌処理を行ったあとの上澄み液を用いた治療方法です。
この上澄み液に含まれる成長因子の働きを利用して細胞を活性化させて、自発的な発毛を促します。
上記以外でも各クリニックでオリジナル性を全面に出した名称の治療もありますが、基本的には今回挙げた3つの治療方法に少しアレンジを加えたものになります。
毛髪再生医療は厚労省の認可を受けたクリニックしか扱えない
再生医療のデメリットの一つに再生治療を行えるクリニックが少ない点があります。
再生治療はAGAを扱うクリニックであればどこでも治療できるわけではありません。
厚生労働省に”再生医療提供計画届書”を提出し、認可を取得することが義務付けられています。
その理由としては高度な医療技術が必要であることや、組織回復による患者様の生活の質向上や社会復帰への期待が大きい分、責任を持った安全かつ迅速な治療が求められるからです。
近年問題視されている美容医療トラブルが起こってはならないことから、国からの厳しい基準を満たした医療機関でないと治療が行えないようになっているのです。
毛髪再生医療の治療費の相場
従来の薬物療法とはアプローチの方法が根本的に違う毛髪再生医療ですが、治療費用について一体いくらくらいなのか気になるかと思います。
毛髪再生医療は施術方法に関係なく、全て保険の適用がない自由診療扱いです。
そのため各クリニックによって費用のバラツキがありますが、HERG療法の場合だと1クール(6~9回)で平均約40〜60万円と、AGA治療薬と比較してみてもどうしても高額に感じてしまうかと思います。
しかし、長期的な目線で考えると自分に合わない治療や効果が出ない方法をやみくもに継続するよりも結果的に低コストにつながる可能性もあります。
まずは専門クリニックで相談からはじめよう
ここまでAGA治療薬では満足行く結果が得られなかった人、治療を諦めかけている人に知っておいてほしい治療方法である毛髪再生医療について解説してきました。
毛髪再生医療は従来の薬物を使った治療方法とは違い、患者様自身の細胞を活用して自発的な発毛を促す治療方法として現在高い注目を集めている治療方法です。
1回あたりの施術費用は治療薬の服用や塗布による治療と比較すると高額にはなりますが、治療薬だけでは効果が得られなかった人でも発毛効果に期待できます。
AGA治療薬で満足できなかった人だけでなく、最初から回り道せず着実に毛髪を生やしたいとお考えの方にとってもオススメです。
毛髪再生医療を扱えるクリニックはまだまだ少ないのが難点ですが、まずは治療の認可を受けているクリニックで相談してみてください。