2023.04.20
発毛剤とは？育毛剤との違いや効果、選び方についてを解説
発毛剤の存在は、抜け毛・薄毛で悩んでいる人にとって大きなものです。
しかし、そもそも発毛剤についてよく分かっていない方も多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、発毛剤について基本的な知識から正しい使い方、入手方法や効果を高める方法などを解説しているのでご覧ください。
発毛剤とは？
発毛剤とは、発毛を促進するための薬剤です。
使用を継続することで発毛効果が期待できる薬を「発毛剤」と呼びます。
新しい毛髪を生やすための効果が認められているもので、具体的にはミノキシジルが含まれている医薬品です。
発毛剤と育毛剤の違いとは？
「発毛剤」という言葉よりも、「育毛剤」の方が馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
発毛剤と育毛剤は微妙なニュアンスの違いであって、ほぼ同じ物だと思っている方も多いようですが、発毛剤と育毛剤の違いは、新しい毛を生やす、「発毛」を促進するための育毛剤に対し、現在は得ている毛をより丈夫に育てるための薬が育毛剤です。
現実的にはミノキシジルが含まれているか否かだと考えてよいでしょう。
ミノキシジルが含まれているものは発毛剤、含まれていないものは育毛剤となります。
つまり、既に髪の毛の量が減り始めている人は育毛剤よりも発毛剤の方が効果が期待できますが、まだまだ髪が健在な方は発毛剤よりも育毛剤の方が自身の状態にマッチしています。
発毛剤の種類
発毛剤は外用薬と内服薬の二種類が用意されています。
いずれも期待できる効果は同じですが、程度が異なります。
内服薬の場合、体全体の発毛効果を促進します。一方、外用薬の発毛剤は薄毛・抜け毛が気になる部分に塗布し、発毛効果を促進するので塗布した以外の部分の発毛効果は期待が薄いです。
そのため、大きな発毛効果を期待するのであれば内服タイプの発毛剤の使用が好ましいのですが、体全体の発毛効果を促進するので、気になる部分だけではなく頭髪以外の体毛が濃くなったとの報告も確認されています。
発毛剤の副作用について
発毛剤は薬です。
そのため、いくつか確認されている副作用があります。
厚生労働省の発表によると、ミノキシジルが含まれている発毛剤の特別調査にて確認された副作用発症例は3,072例中271例。およそ8.82％でした。
確認された副作用は下記となります。
適用部位そう痒感：123件
適用部位発疹：43件
頭部粃糠疹：33件
接触性皮膚炎：32件
適用部位紅斑：31件
適用部位刺激感：13件
頭痛：10件
浮動性めまい：6件
動悸：6件
適用部位乾燥：6件
血圧上昇：6件
適用部位疼痛：4件
適用部位熱感：4件
適用部位腫脹：4件
末梢性浮腫：3件
適用部位分泌物：3件
心拍数：3件
他にも眼痛、耳鳴、発疹、裂毛、蕁麻疹、皮膚のつっぱり感、適用部位炎症、適用部位発汗、適用部位変色、適用部位びらん、適用部位痂皮が各2件、不眠症、体位性めまい、感覚鈍麻、睡眠の質低下、眼瞼炎、眼充血、霧視、心不全、ほてり、腹痛、上腹部痛、紅斑、毛髪変色、毛髪障害、多毛症、そう痒症、脂漏性皮膚炎、夜間頻尿、適用部位浮腫、胸痛、浮腫、適用部位異常感覚、適用部位皮膚剥脱、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、眼圧上昇、血中アルカリホスファターゼ増加が1件ずつ確認されています。
発毛剤の正しい使い方
発毛剤は髪が生えるよう促進する薬ではありますが、正しく使用してこそです。
他の薬同様、正しく使用しなければ効果も薄まってしまいます。
そこで発毛剤の正しい使い方を紹介します。
継続して使用する
発毛剤は薬ではありますが、頭痛薬や風邪薬のように即時性のあるものではなく、継続使用することで効果を期待します。最低でも三か月程度の使用が推奨されており、残念ながら一度の使用ではさほど効果は出ません。
つまり、薄毛・抜け毛対策は時間のかかる治療だと理解しておく必要があります。
自己判断ではなく医師に相談して使用する
発毛剤には、先述したように副作用が確認されています。
また、サプリメントではなく薬になりますので、自己判断ではなく医師に相談しての仕様が好ましいです。
なぜなら、薬には併用禁忌と呼ばれている併用が禁止されている薬の組み合わせや、使用を控えた方が良い状況があるからです。
発毛剤の成分には併用禁忌薬はありませんが、使用したことで何らかの自己判断では、効果が薄まるだけではなく体調の悪化を招きかねませんので発毛剤を使用して異常が出た場合には、医師に相談し、使用を継続するのか、あるいは一旦中止するのか判断を仰ぎましょう。
合わないと思ったら使用を控える
発毛剤を使用した際に合わないと思ったらすぐに使用を控えましょう。
お伝えしたように、発毛剤には副作用が確認されています。一方で、副作用の割合は10％に満たないものです。割合にすると10人に1人、副作用が出るか出ないかではありますが、もしも副作用や異常が確認された場合、無理に使用を継続するとさらに副作用・異常を悪化させてしまいかねません。
発毛剤は気合や根性で使用を継続しなければならない物ではありませんので、合わないと思った時にはすぐに使用を中止しましょう。
発毛剤の入手方法
発毛剤を入手する方法としては、主にクリニック、ドラッグストア、個人輸入の3種類が挙げられます。
それぞれについて、詳しく解説していきましょう。
ドラッグストア
発毛剤を取り扱っているドラッグストアがあるので、実は気軽に購入できます。
発毛剤なのか、あるいは育毛剤なのかを見分ける方法はお伝えしたようにミノキシジルが含まれているか否かです。
ドラッグストアのパッケージの含有成分を見て、ミノキシジルが含まれているのかをチェックしてみましょう。
注意点として、発毛剤は薬剤師がいなければ販売できません。そのため、薬剤師が休憩中や既に退勤した後は、店舗に在庫があっても購入できません。
近年は深夜までや24時間営業のドラッグストアも登場していますが、薬剤師がいない時間には発毛剤は購入できないので、ドラッグストアで発毛剤を購入する場合、薬剤師の在籍している時間に合わせて購入する必要があります。
個人輸入
発毛剤は日本国内だけではなく、世界中で需要のあるものなので海外でも取り扱われています。
かつて個人輸入のハードルはとても高いものでしたが、インターネットであれば個人輸入は決して難しいものではありません。
為替差、あるいは物価の違いから、海外の安い発毛剤を個人輸入で購入することもできますが、推奨はできません。
なぜなら、正規品ではない可能性もあれば、副作用や不具合が起きた場合の対処法が不明なものもあります。
実は薬の個人輸入に関しては厚生労働省でも注意を喚起しているほど。
発毛剤と思って購入したものが、実はまったく発毛効果のない薬である可能性もあります。現地の言葉を理解しコミュニケーションを取れる方で、かつ模造品だった場合に責任を追及できる行動力がある人であれば別ですが、それ以外の多くの方にとっては、控えた方が無難です。
参照：厚生労働省・あやしいヤクブツ連絡ネット（https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/risk/）
クリニック
クリニックで取り扱っている発毛剤には安心性・確実性があります。
個人輸入のような紛い物ではなく、医師が責任を持って取り扱っているので安心感があります。
また、クリニックで処方された発毛剤を使用して体調不良や副作用が起きた場合、医師が責任をもって対処します。
近くにクリニックがないので足を運ぶのが面倒という人もいるかもしれませんが、近年はオンラインでの診療を行っているクリニックも増えていますので、自宅で発毛剤を処方してもらうことも可能です。
発毛剤の効果を高める方法
発毛剤は医学的見地から発毛が確認されているので、服用・使用によって発毛効果が期待できます。しかし、いくら発毛剤を使用しても、頭髪に悪影響を与えてしまう行動を控えなければ発毛剤の効果も薄まります。
そこで、発毛剤の効果をより高めるために心がけるべきポイントをいくつかご紹介しましょう。
禁煙・禁酒する
発毛剤の効果を高めたいのであれば、お酒とタバコは控えましょう。
お酒に含まれているアルコールは、肝臓で分解されるとアセトアルデヒドに変化します。
肝臓と髪の毛に直接的な因果関係は見られませんが、アセトアルデヒドはジヒドロテストステロンを増やす可能性が指摘されています。
ジヒドロテストステロンは薄毛の原因となります。
喫煙は、タバコに含まれているニコチンが血管を収縮させます。
結果、全身の血行を鈍化させ、栄養分が運ばれなくなり、薄毛・抜け毛を促進させてしまいます。
ストレスを溜めない
薄毛・抜け毛に限らず、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、自己免疫疾患など人体に様々な悪影響を及ぼすストレス。
もちろん髪の毛にも無関係ではありません。
現代社会ではストレスと隣り合わせではありますが、ストレスを蓄積しないのではなく、蓄積されたストレスを発散できる選択肢を用意することが、結果的に発毛剤の硬化を高めることにつながります。
栄養バランスの取れた食事を採る
髪の毛と栄養は密接な関係があります。
髪の毛もまた、人間の体の一部である以上、栄養から作られています。タンパク質や亜鉛といった髪の毛の生成に直接影響を及ぼすものはもちろんですが、バランスの良い栄養の取れた食事も大切です。
暴飲暴食だけではなく、ダイエットによる接種栄養量の低下・減少も髪の毛に影響を与えるものなので適切な栄養バランスの食事を心がけましょう。
適度に運動に取り組む
適度な運動はストレス発散をもたらすだけではなく、運動によるエネルギー消費が結果的には血行の好循環をもたらし、栄養を頭部へと運びます。
「運動」という言葉に、ハードなトレーニングを連想する方もいるかもしれませんが、アスリートのような自分を追い込むトレーニングではなく、多少汗ばむ程度の有酸素運動で十分です。発毛剤の使用同様、一日だけではなく継続することが大切なので、一日の運動そのものは軽度でも十分です。
適切な睡眠を取る
睡眠は身体に休息をもたらします。
休んでいる間に栄養を前進に運びます。ストレスの緩和、体調の良化など、睡眠と健康は関連性が強いです。
また、睡眠不足は休息を取れなくなるだけではなく、ストレスを感じやすくなる、自律神経が乱れやすくなるなど、体に不調を及ぼします。髪の毛だけではなく、健康面からも睡眠時間の確保は大切です。
安全な発毛剤ならクリニック！
発毛剤について様々な角度からお伝えしましたが、「安心・安全の中で発毛剤を使用し、薄毛・抜け毛対策を」と考えているのであればクリニックがおすすめです。
「確かな」発毛剤を扱っている
クリニックで扱われている発毛剤は「確かな」ものです。
医師は医療機関から薬を調達しています。個人輸入のように、詳細不明なものではありません。
どこで製造されたものなのか、すべて把握しているクリニックも珍しくありませんので、安心して使用できる発毛剤ばかりです。
医師が責任を持って発毛剤を扱っている
クリニックで取り扱っている発毛剤は医師が責任を持って取り扱っているものです。
正規品であることはもちろんですが発毛剤で副作用など何らかの異変が生じた場合には、医師が責任を持ってフォローします。
医学的見地に基いた正確・的確なフォローなので、もしも発毛剤で何らかの異変が起きたとしても安心です。
正しい使い方をレクチャーしてくれる
クリニックでは発毛剤の正しい使い方をレクチャーします。
使用頻度、注意事項の説明など、発毛剤に関する知識を含めたレクチャーは、ドラッグストアや個人輸入による購入では行われていませんので、医師からのレクチャーを受けることで、自分自身も薄毛や抜け毛、育毛剤に関する正しい知識を獲得できます。
状況に合わせた発毛剤を提案してくれる
発毛剤には内服薬と外用薬がありますが、医学的見地に基づく知識と現状分析から、患者の状況に合わせた発毛剤を提案します。
自分がどのような悩みを抱え、どのような理想を持っているのかを相談することで、理想を叶えるためにはどの発毛剤が良いのかだけではなく、治療法を含めて提案してくれることでしょう。
まとめ
育毛剤について、様々な角度から解説させていただきました。
ミノキシジルが含まれていることから、髪の毛を「生やす」効果が期待できる発毛剤ですが、個人輸入による模倣品も増えています。
厚生労働省が注意喚起していることからも、本物の発毛剤の入手が大切です。さらには正しい使い方も大切なので、クリニックで正しい発毛剤の正しい使い方をレクチャーしてもらうことをお勧めします。
- 田名部 隆人
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