2023.05.30
AGAの進行速度は速い?進行パターンや3種類のAGA治療について解説
「AGAの進行速度はどのくらい?」
「AGAになるとどんな風に薄毛が進行していくの?」
このように、AGAの進行速度について気になっていませんか?
AGAは進行性の脱毛症です。薄毛が進行するスピードは早くありませんが、ゆっくりと徐々に薄毛が進みます。
あまり変化を感じにくいので、自覚症状がないまま気づいたら薄毛になっていたということも少なくありません。また、AGAの進行は自然に止まることはないため、できる限り早期に治療を開始することが大切です。
こちらの記事ではAGAの進行速度や進行パターン、3種類のAGA治療、薄毛対策について解説します。
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AGAの進行速度は?個人差はあるが5年で薄毛が目立つ
AGAの進行速度は早くありません。
ゆっくりと徐々に薄毛が進行していくのがAGAの特徴です。
急に抜け毛が増えて短期間で薄毛になることはありませんが、放置すると着実に薄毛は進みます。
進行速度がゆっくりなので自覚しない人も多く、人によっては気づいたら薄毛がひどく進行していたということもあります。
AGAの進行速度には個人差がありますが、5年で薄毛が目立つと考えておきましょう。
参照:抜け毛・薄毛が気になる方へ -AGAを知ろう- p3|東和薬品株式会社
また、AGAの主な原因は遺伝によるものなので、進行速度をコントロールすることはできません。
ただし、AGAは生活習慣の乱れやストレス、運動不足など幅広い要因が重なることで抜け毛のリスクを高めます。
生活習慣を見直して正しいヘアケアを行うなどして、頭皮環境を整えればAGAの進行速度をゆっくりできる可能性はあるかもしれません。
とはいえ、AGAは進行型の脱毛症なので、生活習慣やケアを行っても治療しなければ徐々に薄毛は進行していきます。
AGAの進行を抑えるためにはAGA治療をはじめる必要があります。
AGAの進行速度が急激に早まることはある?
AGAの進行速度が急激に早まることはないと考えられます。
AGAは徐々に進行する脱毛症なので、数日で一気に髪の毛が抜け落ちるということはありません。
万が一、AGAを発症している状態で薄毛の進行が急激に早まった場合は、AGA以外の原因によって抜け毛が増えている可能性があります。
たとえば、部分的に髪の毛が抜ける「円形脱毛症」は、一晩で髪の毛が抜けて頭皮が丸見えになることも少なくありません。
AGAと円形脱毛症を併発することもあるので、薄毛の進行速度が早まったと感じる場合は円形脱毛症などその他の原因が考えられます。
若年で発症するとAGAの進行スピードが早い
AGAの進行速度には個人差がありますが、若い人は進行スピードが早い傾向にあります。
AGAは思春期以降に発症することのある脱毛症です。
30〜40代だけでなく、10代後半や20代でもAGAを発症することがあります。
若い時に発症したAGAの進行スピードが早い理由は明らかになっていませんが、若い人ほど生活リズムの乱れが見られ、ヘアケアもおろそかにしていることが進行スピードを早める原因と考えられています。
ただし、若い人はAGA治療の効果もあらわれやすいことが特徴です。治療が遅れると薄毛治療の効果があらわれるのにも時間がかかるので、抜け毛に気づいたら早期に治療を開始することが大切です。
AGAの進行が止まることはある?
抜け毛が増えたと感じているものの、「そのうちおさまるだろう」と放置している方は多いかと思います。
しかし、AGAの進行が自然に止まることはありません。
円形脱毛症の場合、症状によっては時間が経つと回復することがあります。
一方、AGAは進行型の脱毛症なので一度発症すると徐々に薄毛が進行していきます。
治療を行わなければ、薄毛の進行が止まったり薄毛が改善したりすることはないため注意が必要です。
AGAの進行度の見分け方・進行パターン
AGAの進行度は、ハミルトンノーウッド分類によって見分けることが可能です。
ハミルトンノーウッド分類とは、AGAの進行度を合計13パターンに分けた分類方法です。
AGAの進行パターンをはじめに分類したアメリカの皮膚科医「ハミルトン」と、その分類を改良した「ノーウッド」の2人に名前を取って「ハミルトンノーウッド分類」と言われています。
AGAの見分け方・進行パターンは次の通りです。
参照:銀クリAGA.com
分類 | 特徴 |
Ⅰ型 | AGAの初期症状。まだ薄毛を自覚しない程度 |
Ⅱ型 | 生え際が少し進行している状態。自覚していないケースがほとんど |
Ⅱ型vertex | Ⅱ型と同時に頭頂部がO型に薄くなっている状態 |
Ⅱa型 | Ⅱ型と同時に前頭部がU型に薄くなりかけている状態 |
Ⅲ型 | M字型に薄くなっている状態 |
Ⅲ型vertex | Ⅲ型と同時に頭頂部がO型に薄くなっている状態 |
Ⅲa型 | Ⅲ型と同時に前頭部がU型に薄くなりかけている状態 |
Ⅳ型 | 生え際と頭頂部が薄くなっている状態 |
Ⅳa型 | 生え際と前頭部が後退してU字型に薄くなっている状態 |
Ⅴ型 | 生え際が後退して頭頂部が露出している状態 |
Ⅴa型 | 前頭部と頭頂部の薄毛がつながっている状態 |
Ⅵ型 | 前頭部から頭頂部にかけて頭皮が露出している状態 |
Ⅶ型 | 全体的に頭皮が露出している状態 |
なお、薄毛でよく見られるM字型の薄毛は「Ⅰ型~Ⅴ型」に該当します。
U字型の薄毛は「Ⅱa型〜Ⅴa型」、O字型の薄毛は「Ⅱ型vertex・Ⅲ型vertex」が該当します。
M字はげの進行パターン
額の左右の生え際が後退し、M字に見える状態になるためM字はげと呼ばれます。
AGA発症初期であるI型〜Ⅱ型のころに現れてきます。
O字はげの進行パターン
O字はげは、頭頂部がO字のように脱毛している状態。
Ⅱ型 vertex~Ⅲ型 vertex、Ⅳ型以降に見られる脱毛パターンです。
U字はげの進行パターン
M字はげとO字はげが同時に起こっていて、最も深刻なタイプの薄毛です。
早期の治療が必須になります。
AGAの発症率は?日本人の約3分の1が発症する
日本人のAGA発症率を示す調査結果はありません。
しかし、約3分の1の男性がAGAを発症していると考えられています。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によれば、日本人のAGA発症率は年代別に以下の通りです。
- 20代:約10%
- 30代:約20%
- 40代:約30%
- 50代以上:40数%
20代後半から30代にかけてAGAを発症する人が増え、50代以上になると約半数近くの人がAGAを発症するとされています。
AGAの進行を抑える3種類のAGA治療
AGAは進行型の脱毛症なので進行を止めることはできませんが、抑えることは可能です。
代表的なAGA治療には次の3種類があります。
- 投薬治療
- 注入治療
- 植毛
AGAの進行を抑えられるのは基本的に投薬治療です。
注入治療や植毛などは、主に髪の毛を生やすことを目的として行われます。
ここからは、それぞれの治療内容について解説します。
1.投薬治療
投薬治療とは、内服薬(飲み薬)や外用薬(塗り薬)を使用する治療法です。
基本的にAGA治療として用いられるのが内服薬を使用する投薬治療です。
内服薬の種類には薄毛の進行を抑える薬と、発毛を促進する薬の2種類があります。
薄毛の進行を抑える内服薬は主に「プロペシア」と「ザガーロ」で、発毛を促進する内服薬は「ミノキシジル」です。
ミノキシジルは内服薬だけでなく外用薬にも用いられる成分で、ミノキシジル配合の発毛剤は多く販売されています。
また、投薬治療に用いられる薬はクリニックごとに異なり、プロペシアやザガーロのジェネリック医薬品を処方しているところもあります。
近年ではオンライン診療に対応し、自宅まで治療薬を配送してくれるクリニックも増えてきており、薄毛が気になる方が気軽に投薬治療をはじめることが可能です。
2.注入治療
注入治療は、注射器や専用器具を使用して頭皮に発毛成長因子(グロースファクター)を直接注入する治療法です。
メソセラピーと呼ばれることもあります。
発毛成長因子を薄毛が進行している部分に注入することで、弱った毛根の細胞を活性化させて髪の毛の成長を促す作用が期待でき、発毛を目指します。
投薬治療と併用することで、より発毛を実感しやすい治療法です。
ただし、効果を実感するまでに複数回施術を受ける必要があるほか、投薬治療と併用すると治療費用がかかる点に注意が必要です。
また、注入治療を行っているクリニックは限られるので、注入治療の効果や費用が気になる方は、治療を受ける前にクリニックの治療内容を確認しておきましょう。
3.植毛
植毛とは、薄毛が気になる箇所に髪の毛を植える治療法です。
後頭部や側頭部から自分の毛を採取して移植する「自毛植毛」が一般的に行われます。
自毛植毛は髪の毛を発毛組織ごと採取・移植するため、移植後も自然に髪の毛が成長したり生えたりするのが特徴です。
AGAがひどく進行して毛根がなくなっている場合でも髪の毛を新たに生やすことができるため、AGAに対して特に有効な治療法です。
ただし、植毛は外科的処置なので麻酔を使用する必要があり、患者さまの負担がやや大きい治療法となります。
また、施術にかかる時間が長く治療費用も高額になりやすいので、注意しましょう。
抜け毛・薄毛を抑える4つの薄毛対策
抜け毛・薄毛を抑える薄毛対策には次の4つがあります。
- 生活習慣を見直す
- 適度にストレスを発散させる
- ヘアケアを行う
- 育毛剤を使用する
AGAは進行性の脱毛症のため、AGA治療以外で薄毛の進行を直接的に止めることはできません。
ただし、頭皮環境が悪ければ抜け毛・薄毛につながることもあるため、上記の対策を行えば頭皮環境が原因の抜け毛・薄毛を防止することが可能です。
ここからは、それぞれの薄毛対策の方法について詳しく解説します。
1.生活習慣を見直す
食生活や睡眠時間など、生活習慣を見直すことで抜け毛・薄毛の対策につながります。
髪の毛の成長には栄養が欠かせません。
栄養が偏った食生活を続けると髪の毛の成長をさまたげてしまうため、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
髪の毛の主成分はタンパク質なので良質なタンパク質の摂取が大切です。
さらに、ビタミン類やミネラルなどを摂取して血行を促進することで、髪の毛に栄養が運ばれて髪の毛の成長につながります。
また、睡眠不足も髪の毛の成長に悪影響です。
少なくとも6時間以上は睡眠をとりましょう。
2.適度にストレスを発散させる
適度にストレスを発散させることも抜け毛・薄毛対策には大切です。
ストレスをためこむと、自律神経のバランスが乱れると交感神経が優位になって興奮状態になり、血管の収縮につながります。
血管が収縮して血流が悪くなると、頭皮や髪の毛に十分な栄養が行き届かないため髪の毛の成長に悪影響です。
ストレスがたまっていると感じる方は、趣味に打ち込んだり運動したりして適度にストレスを発散させましょう。
3.ヘアケアを行う
健やかな髪の毛の成長を促すために、ヘアケアを行いましょう。
ヘアケアを行っている人によっては間違った方法でケアに取り組んでいて、逆に頭皮へ負担をかけていることがあります。
たとえば、髪の毛を洗うときに爪を立ててゴシゴシと洗うと摩擦によって負担がかかり、頭皮環境を悪化させる可能性があります。
また、シャンプーも合成界面活性剤が配合されているものを使用すると、頭皮に必要な皮脂まで余計に洗い流してしまうので注意が必要です。
シャンプーは育毛用などの商品を選ぶとともに、髪の毛は指の腹でやさしく洗い、入浴時は頭皮マッサージを行うなどして頭皮環境を整えましょう。
4.育毛剤を使用する
育毛剤を使用するのも大切です。
育毛剤には髪の毛の成長をサポートする成分や血行を促進する成分、頭皮環境を整える成分などが含まれています。
育毛剤の使用を継続することで、将来的な抜け毛・薄毛対策につながります。
ただし、育毛剤は髪の毛の成長を促す商品であり、発毛剤のように新しく髪の毛を生やす効果は期待できないので注意が必要です。
発毛剤を使用したい場合は、AGA専門のクリニックで医療用医薬品を処方してもらいましょう。
AGA治療を開始しても進行が止まらないことはある?
AGA治療を開始しても薄毛の進行が止まらない場合、次の3つの原因が考えられます。
- 治療薬を正しく使用できていない
- AGA以外の要因で抜け毛が増えている
- 治療効果が現れるまでに時間がかかる
クリニックから処方されたAGA治療薬を飲み忘れたり、増量したりして飲んでいる場合、正しい治療効果を期待できません。
薬は指定された用法用量を守って使用しましょう。
AGA以外の要因によって抜け毛が増えている可能性があります。
生活習慣の乱れやストレスがたまっている場合、頭皮環境の悪化によって抜け毛を引き起こすことがあります。
AGA治療を行ってもAGA以外の要因による抜け毛はカバーできないので、生活習慣を整えることも大切です。
また、AGA治療の効果があらわれるまでの期間は3〜6ヶ月が目安です。
治療をはじめてすぐに効果は実感できないので、短くても6ヶ月は治療を継続しましょう。
まとめ
AGAの進行速度は早くありません。AGAは進行型の脱毛症で、ゆっくりと徐々に薄毛が進行していくことが特徴です。
AGAの発症直後は自覚症状がない人も多くいますが、気づかないまま放置すると5年で薄毛が目立つようになります。AGAの進行が自然に止まることはないため、できる限り早期に治療を開始することが大切です。
AGA治療にはさまざまな種類がありますが、一般的に内服薬の投薬治療が行われます。
薄毛が気になりはじめたという方や、AGA治療を検討している方は、一度AGA専門のクリニックに相談してみましょう。